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2013年7月12日 (金)

自白

しかし暑い日が続きます。私らの子供の時もこんな
暑かったんでしょうか。いやいや、エアコンほとんど普及してなかった
ですし、まだ緑も多かったですからね、やはりどんどん
暑くなってきてるんですね。体調はまだすぐれませんので
読書にふけってます。ビールも先週金曜から飲んでません。
今日で一週間、か。

毛利文彦さんの
「警視庁捜査一課 殺人班」
を読みました。
ノンフィクションです。この方は同様のドキュメントで
「警視庁捜査一課 特捜班」
ってのもあって、そちらも読んでます。

やはり事実は小説より奇なりですなあ、この手の事件ものを読みますと
いつも痛感します。

「殺人犯」の方は、終章の「自白」にココロを打たれました。
作品にというより事件の特異性にです。逆なんですね。殺された被害者
には憐憫感じません。加害者の肩を持ちたくなってしまう、
捕まえなくても良かったんでは、と。

概要はこうです。
平成8年のGWのある日、不動産ブローカーが殺害されます。死体発見は
東京の兜町。着衣にあった免許からガイ者は国立在住の石川紀夫(60)
と判明。
殺されたわけですが、この石川、とんでもない詐欺師だったことが
調べていくうちに判る。口八丁手八丁、海千山千のひでーヤツなのだ。

で、長野は白馬にいる、ヤマサワって人が石川の死亡保険金の受取人に
なっていることが遺族の証言から判る。ところがこのヤマサワさん、
白馬で宿をやってて、GW中ももちろん白馬。多くの従業員から
得られた死亡時の決定的アリバイもあり、
本ボシの線は薄いと考えられた。

地を這う地道な捜査から一カ月で実行犯、ササキを捕まえた。
ササキはゲロし、決定的証拠もそろうも、動機が薄い。貸した80万円を
いっこうに返そうとしないので殺した、との理由なんですね。額も低いし、
本ボシもしくは共犯者が絶対他にいる、との考えに至る。

そうなると白羽の矢が立つのは、白馬のヤマサワさんです。なぜか。
石川に1億近い金を投資してしまってるんですね。
騙されていたんです。
返せと迫るものらりくらりといっこうに返そうとしない。
「業を煮やしたヤマサワさんがササキに指示したのでは」
捜査本部は筋書きを立てます。ましてや保険金受取人にもなってますし。
 
 
驚くのは捜査一課の、実行犯のササキさんを捕まえる道程。
そして最終的にヤマサワさんも「吐く」んですが、その吐いた
その時、がすごい。

事件発生から丸四ヶ月間、ヤマサワさんは任意聴取に応じ続けました。
それは白馬でなんですが、毎日!なんです。
担当の刑事、定岡氏はとても厳しい刑事なのにもかかわらずなぜか
ヤマサワさんにはとても優しく、一カ月もすると情も移り、
会ってもお互い世間話しかしなくなる。最終的に妙な人間関係も確立。

ところが本部から定岡刑事に、もう引き揚げろ、の指示が入る。
要は、実行犯も捕まった、しかしヤマサワさんがたずさわった証拠も
あがらない、ササキさんも自分ひとりでやったんです、と一点張り。
だったらもう諦めろ、ということです。

諦めかけた時、その日の任意聴取も定岡氏はじゃ、また明日
と言って別れようとした。
するとヤマサワさんから、刑事さんお話したいことがあります、
と切り出された。ピンと来た定岡氏はしかしなんと、制するんですね。

「お前、、、
 しゃべったら、殺人犯になるんだぞ、よく考えろ、
 もう実行犯は出ている。しゃべらなくても、大丈夫なんだぞ!」

これには四ヶ月間ずっと同行し付き合ってきた刑事もびっくり
したようです。

「いや、、、話します。話させてください」

イッキに自供。

結末をかいたようでなんですが、本書も結末から入りますんで。

事件からもう17年が経っています。ヤマサワさん、実行犯のササキさん
共にもう出獄されているでしょう。定岡刑事さんらともし対談の機会が
あったとしたら、涙ものでしょうね。してると思いますけどね。

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