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2007年10月20日 (土)

母、枇杷

清水寺の元住職の方が以前書いておられた。
この方、母の手だけで育てられたが、後、孤児となった。
幼少の頃、その母から捨てられるのだ。
記憶がうすいようだが、どこか遠くに行く列車に母と(もう一人の
大人と)乗った。
ところが出発前、母は突然いなくなる。

降りたのか?

列車は出発してしまう、が、母は来ない。
結局それが母と会う最後だった。
しかし幼心に、もう会えなくなる、という第六感のようなものを
感じたんだそうだ。
結局そこから僧侶のみちを歩むことになったのだそうが
今ふりかえってこう仰った。

「その時の母の心境を想像する勇気をいまだ持つことができない」。

母も母、もちろん分かれたくなかったろう。相当の事情があったのだ。
可愛がられて育った。目に入れても痛くないくらいに。
愛し愛され、しかしどんなに悲しいか、その決別。
 
 
私は好きな映画の一つに
A.I
がある。スピルバーグの。
母を愛することをプログラムされた男の子のロボットが
その母親に捨てられてしまうというストーリー。
涙無しで見れなかった。長男があの主人公の年頃になってきた今、
見たらもう大滝になってしまうだろう。長男にも母を愛するプログラム、
多分に入っているように思う。私ももちろん母は大好きだった。
10年前の10月17日他界した。

今日は仕事で行ったところに大きな枇杷の木があった。
母が大好きだった枇杷。

入院先でどうしても枇杷が食べたいって言いましたよね。
水分を含むものは絶対口にせぬことと医師から釘をさされていましたが
危篤が3、4度続いた後は

「お好きなもの、お口にして差し上げてください」

と言われたんですよ。
でもその時はもう枇杷が店頭に並ぶ季節じゃなくなったんですね。
ほうぼう探しましたがありませんでした。
また会えないでしょうかね。現世のどこかで。
A.Iじゃないですけど、やっぱり無理でしょうか。

Kicx6714

枇杷の木を見上げながらそんなことを考えてしまいましたよ。母さん。

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